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Re: "Double-Click Timeout"の訳について (gnome-control-center)


西堀です。
まず、前回のメールの "右クリックの模擬 (左利き用マウスは左クリック)" を取り下げます。
理由は、"Secondary Click" が他の msgid でも使われており、ここだけを「右クリック」と訳出すると用語が統一されないからです。
思慮が欠けた提案であったことをお詫び申し上げます。


で、あらためて(懲りもせず申し訳ないですが)

" 副ボタンのクリックの代替"

を提案し、

"第二ボタンのクリックの模擬(右利き用は右ボタン、左利き用は左ボタンに該当)"

とそれに付随する事柄について述べさせていただきたく存じます。

まず、後半の括弧部分について。
(2010年11月24日 23:57), Jiro Matsuzawa wrote:
> 私としては、左右という表現を主の説明に入れないほうが良いと考えております。
> 主な理由としては、左右という表現は左右のボタンを持つ一般的なマウスを前提に
> したものであり、その一方でここの設定を必要とするユーザの多くが、そういった
> 一般的なマウスを使用していないであろうと想定できるからです(一例としては、
> 瞬きや口の開閉でクリック動作を行うようなヘッドマウスなど特殊なポインティン
> グ環境にあるユーザが想定できます)。この設定が、マウスの設定から行われるも
> のではなく、ユニバーサル・アクセスの設定項目であることを鑑みても、上記想定
> は的外れではないと考えます。つまり「{左,右}クリック」という表現は、ここを設
> 定したいユーザに適合したものではないということです。
> 確かに西堀さんのおっしゃる通り「「右クリック」という表記が広く認知されてい
> る」のは事実と言えます。特殊なポインティングデバイスを使用しているユーザに
> とっても(また左利きのユーザにとっても)「右クリック」が何を意味しているか
> は十分通じると思われますし、わかりやすさという点では「右クリックの〜」とい
> う表現は申し分無いと思います。ただ私が懸念するのは、左右クリックというのは
> 先述の通り通常のマウスを利用するマジョリティ中心の考え方であり、マジョリティ
> ではない人々の中には、そういった考え方や言葉遣いに反感を覚えるセンシティブ
> な人も少なからず存在する、という点です。これがただの「マウスの設定」の項目
> であれば私も特に気にしないのですが、箇所が箇所だけに一つの表現をとっても微
> 妙な問題を腹んでいて、できるだけ多くの人が穏便でいられる訳し方をしたいと考
> えます。
> 以上、ユーザに適合していない、通常マウスを前提にした表現は避けたい、の2点が、
> 左右を使わない方が良いと考える主な理由です。
>   
松澤さんの論理に従うと、「右利き用は右ボタン、左利き用は左ボタンに該当」
という表現もまた左右のボタンを持つ一般的なマウスを前提にしたもので、想定
されるユーザに適合した表現ではないということになります。「穏便に」という
観点からすると思い切って削除するべきかと思いますがいかがでしょう。


次に、 "Simulated" の訳出「模擬」について。
「模擬」は、「模擬試験」や「模擬店」のように「模擬」の後に何らかの名詞が
続く形で目にすることが多く、文の最後に単体でそれが来るのはやや不自然なよ
うに感じますので、
意訳ですが「代替」を持ってきてみてはどうでしょうか。語感の確認ということ
で2つを並べてみます。


第二ボタンのクリックの模擬


第二ボタンのクリックの代替


最後に "Secondary Click" について(付随して、"Primary Button",
"Secondary Button" について)。
私は「副ボタンのクリック」が適していると考えます。ただし、 Gnome および
Linux で伝統的に「第2ボタン」と表記されている例があるのならば、この限り
ではありません。

> ここの訳し方は私なりに悩んだのですが、結局「第二ボタンのクリックの模擬」が
> 良いなという考えに至りました。左右を選ばなかったのは上記の通りで、他にWinや
> Macでは、primary/secondaryのことを主/副と訳しており、これも考慮に入れてみた
> んですが、将来的に tertiary (第三) 以降が設定項目として上がった場合に、それ
> を表現できないので却下しました。第二ボタンは確かに日本語としては比較的なじみ
> が無いもので分かりにくさは否定できないのですが、ポインティングデバイスの形態
> に依存せず、かつ原語に準じた表現であり、第三以降の拡張性もあるというメリット
> を考慮して、これに決めました。


Windows と Mac の両方で、 "primary button", "secondary button" をそれぞ
れ「主ボタン」「副ボタン」と訳しているのならば、Gnome でもそれを採用した
ほうが良いように思います。この 2 つの OS が現在使用されているコンピュー
タの OS の大半を占めているわけで、表記を合わせておいたほうが混乱が少なく
ユーザ(特にこの 2つの OS から移行/併用するユーザ)にとって利益があるよ
うに考えられるからです。
とはいえ、松澤さんが挙げておられる事項も一理ありと感じています。この訳出
をどうすべきかについては、是非他の方のご意見をお伺いしたいです。



西堀 清貴