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Re: cannot/couldn't の訳の時制 (was pitivi - master


蒸し返すようですみません。リリースがはさまったのでそのままにしていました。
この2,3のご意見では、それがご意見であることはわかりますが、理由がよく
説明されているとは思えない=私自身が説得されないのです。これらをもって
「多勢」とされて、そのように対処されたのはちょっと納得がいっていません。

すみません、あらためて教えていただきたいですが、
could not を「できませんでした」と訳すと、何がよくないのでしょうか?


時制とか過去形と呼んでいますが、時間的な意味のみにとらわれているわけで
はありません。単に形が過去形と同じものを「過去形」と呼んでいます。日本
語の「でした」も過去というよりは完了の意味合いが強いかと思います。おか
のさんのおっしゃる
> 何かができなかったという結果をあらわしており、
のとおりです。
それによって、普遍的にではなくて一過性の問題ということを表現していると
思います。

***

私の考え(could not を「できません」と訳すのはよくない)の説明を補足します。

http://www.postgresql.jp/document/9.1/html/error-style-guide.html#AEN93289

これは検索していてたまたま見つけた PostgreSQL コーディング規約の、エラー
メッセージに関する章の一部です。
GNOME にこのような文書があるかは知りませんし、これに相当する内容がある
かも知りません。しかし、いずれにせよ、(前の島本さんの説明とも合致しま
すし)英語での常識の部類なのでしょう。
英語では「2つの意味には無視できないほどの違いがあります」という程度に
使い分けがされている、というところまでは皆さん異論はないのではないかと
思います。

さて、英語で「無視できないほどの違い」と言われるものを日本語にする場合
に、区別がつかないような訳でいいのか、というのが次の問題です。
2,3のご意見では、どちらも「できません」として、区別がなくてもいいかの
如くでした。私はいまのところその理由を理解していません。

では区別するとして、どのような訳がいいのか、というのがその次の問題です。
私は、ベストではないにしろ、端的な表現としては「できませんでした」「で
きません」がいいのではないか、という意見です。その点、「日本語スタイル
ガイド」と同じです(決して何か権威に擦り寄るというものではありませんが、
プロが(たぶんそれなりの議論をして)わざわざ明記したということに注意を払
わないわけにはいきません)。

長い文章中の話ではなく、メッセージ(それもエラーの)であることにも注意す
べきです。端的に、かつ違いが明確であるようにすべきだと思います。

また「一般的なユーザは単なるメッセージの時制から多くの意味を引き出すこ
とはできないでしょう。しかし、言語が文法を提供してくれますので、それを
正確に使用すべきでしょう。」にも同意します。
ここでの「言語」が日本語では、厳密には違うと言われるかもしれませんが、
前に挙げた日常会話の例のように、意図を含めることはできると思います。