[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index][TOP]

gnome-search-tool - master


こんにちは、GNOME 翻訳チームからお知らせします。

gnome-search-tool - master - po (日本語) に新しいコメントがあります。
https://l10n.gnome.org/vertimus/gnome-search-tool/master/po/ja

> > 私ならこうします。いかがでしょうか?
> > #: ../data/gnome-search-tool.desktop.in.h:3
> > msgid "find;locate;look for;seek;"
> > -msgstr "find;locate;look for;seek;"
> > +msgstr "find;locate;look for;seek;search;検索;探索;"
> 
> オリジナルの文字列の後ろに、「search;検索;探索」の3単語を追加するということですか??
はい、その通りです。

> すいません、意図を理解できていないと思います。もう少し、教えて頂けると助かります。
ちょっと分かりづらかったですね、失礼いたしました。
(補足説明を書いていたのですが、くどくなると思って全部端折ってしまいました)

前提から説明するので長くなりますが、お許しください。

● .desktopファイルのKeywords
件のメッセージは、.desktopファイル内のKeywordsキーの値として使われています。
-----------------------------------------------------
data/gnome-search-tool.desktop.in  (抜粋):
[Desktop Entry]
_Name=Search for Files...
_Keywords=find;locate;look for;seek;
-----------------------------------------------------
アンダースコアが前置しているのは、その値が翻訳対象であり、ビルド時にその翻訳がマージされた.desktopファイルが生成されるということを意味しています。

Keywordsキーの一般的な説明をします。その文脈で「検索」という言葉を使いますが、gonme-search-toolの件の検索関連のメッセージとは無関係なので、混同しないようにgonme-search-toolのことは一旦忘れてください。

Keywordsに指定した値を使って、デスクトップ環境からアプリケーションの検索 (便宜的にここでは「デスクトップ検索」と呼びます) ができます。たとえば、GNOME3.8だと、GNOME Shellのアクティビティ画面上部の検索ボックスから「manual」と入力すると、ヘルプビューアー(yelp)を見つけ出して起動できます。これは、yelpの.desktopファイル内にKeywordsの一つとして、「manual」が指定されているからです。キーワードはセミコロン区切り(末尾も必要!)で複数指定できます。
-----------------------------------------------------
/usr/share/applications/yelp.desktop (抜粋):
[Desktop Entry]
Name=Help
Name[ja]=ヘルプ
Keywords=documentation;information;manual;
Keywords[ja]=documentation;information;manual;ドキュメンテーション;ドキュメント;情報;マニュアル;help;ヘルプ;
-----------------------------------------------------

GNOMEのデスクトップ検索の場合、大文字小文字を無視した部分一致なので「Manu」でもヒットします。また、Keywordsキー以外にもNameキーの値やコマンド名でも検索できます。

Keywordsキーは、freedesktop.orgの Desktop Entry Specification v1.1 で標準化されたキーです。
詳細については、以下のページを参照してください。
http://standards.freedesktop.org/desktop-entry-spec/latest/ar01s05.html


● .desktop ファイルのローカライズの問題
.desktopファイルの一部のキーはローカライズが可能です。「Keywords=documentation;information;manual;」がオリジナルのキーで、「Keywords[ja]=documentation;information;manual;ドキュメンテーション;ドキュメント;情報;マニュアル;help;ヘルプ;」が日本語向けにローカライズされたキーになります。日本語環境では「マニュアル」で検索できます。

問題は、ローカライズされたキーが存在する場合、オリジナルのキーは無視されるということです。つまり、日本語環境では、「Name=Help」や「Keywords=documentation;information;manual;」は、一切考慮されないということです。
ローカライズに関する優先度については、以下のページで定義されています。
http://standards.freedesktop.org/desktop-entry-spec/latest/ar01s04.html

ローカライズ版がオリジナルに優先するという動作を受けて、yelp.desktopのKeywords[ja]には、以下の二つの特長があります。

1. オリジナルのKeywordsの値が、そっくりそのまま転写されている。
これは、オリジナルのキーワードでも検索できるようにするためです。

2. オリジナルのKeywordsには存在しない「help」という*英語*のキーが存在する
これは、オリジナルのNameの値「Help」でも検索できるようにするためです。
「help」を含めないと、日本語環境では「help」でヒットしないという悲しいことが起こります。


● gnome-search-toolの場合
ようやく本題です。
gnome-search-tool.desktop.in全体を見てみましょう。
-----------------------------------------------------
data/gnome-search-tool.desktop.in:
[Desktop Entry]
_Name=Search for Files...
_Comment=Locate documents and folders on this computer by name or content
_Keywords=find;locate;look for;seek;
Exec=gnome-search-tool
Icon=system-search
Terminal=false
Type=Application
StartupNotify=true
Categories=GNOME;GTK;Utility;Core;
NotShowIn=KDE;
X-GNOME-DocPath=gnome-search-tool/gnome-search-tool.xml
X-GNOME-Bugzilla-Bugzilla=GNOME
X-GNOME-Bugzilla-Product=gnome-utils
X-GNOME-Bugzilla-Component=gsearchtool
-----------------------------------------------------

私の提案です。
> > #: ../data/gnome-search-tool.desktop.in.h:3
> > msgid "find;locate;look for;seek;"
> > -msgstr "find;locate;look for;seek;"
> > +msgstr "find;locate;look for;seek;search;検索;探索;"

searchを補ったのは、オリジナルのNameの「Search for Files...」から取り出しました。さすがに「for Files...」はKeywordsとしては不要だろうと判断しました。

ただ、gnome-search-toolについては、コマンド名に「search」が含まれるので、Keywordsに「search」を含めずとも実際にはヒットします。ですが、コマンド名は変化する可能性もあるので (実際に、gnome-search-toolは、以前はgsearchtoolという名前でした)、コマンド名に依存せずに、アプリケーションの特徴となるキーワードとして追加すると言う意味でも、一理あると考えます。

「検索」と「探索」については、思いつく日本語を挙げました。いま思うと、さらに「サーチ」を追加してもいいかもしれません。日本語については、思いつく単語をどんどん入れれば良いと思います。一語の英語に対して複数の日本語を当ててもかまいません。直接対応する訳語がなくても、「このアプリケーションの特長機能は日本語でこういう単語で呼ばれている。その単語で検索できれば便利だろう」という語句があれば、それに対応する英語が原文に存在しなくても、その単語を加えるのもありでしょう。この辺は翻訳というよりもローカライズと考えるのが良いかもしれません。

以上、意図をご理解いただけたでしょうか。


本題からは逸れますが、これは本当によくあるミスなのですが、末尾のセミコロンは忘れないようにしてください。
フォーマットとしては不正なので、厳密にチェックすると、パッケージングなどでエラーとなるようです。
Fedoraだったかのパッケージャーが苦情を言ってるのを見たことがあります。
GNOME翻訳の場合は、私がコミット前にチェックして問題が検出されれば修正しているので、うっかり落としてもカバーできると思いますが。


Jiro Matsuzawa
--
l10n.gnome.org から自動的に送信されたメッセージです。